2016年秋アニメ一話だけ感想

普段書いてるチラシの裏を再利用するのがオレの全存在。
一推しは【ガーリッシュナンバー】【ユーリ!】【フリップフラッパーズ】の三本。
以下視聴順。

 


【にゃんぼー】:

白箱の圧倒的技術力により3Dのにゃんぼーが実写世界に完全に息づいて動き回るのがしゅごい。合成映像好きはぜひ一話観てみて欲しい。
むしろ映像の質が良すぎて、著名声優が集まってるので申し訳ないけどナレーションだけの方が合ってたんじゃないかという気さえしてしまう。



タイムボカン24】:

初代タイムボカンのリメイク!
クリエイティブプロデューサー日野晃博
シリーズ構成加藤陽一
メカデザイン大河原邦男
オイ オイ オイ。
現代っぽく飾りつつ本気で昔のアニメをやってる感あってなんかすげえなって感じ。
『世界史はみんな嘘っぱちでタイムトラベルした先には本当の【新歴史】があるんだよ』という設定で一話のタイトルに『 クレオパトラはクレ夫とパトラという漫才コンビだった!』と付けるのはすごい。今時の内容宣言系タイトルとしてみても非常に良い出来でしょう。



仮面ライダーエグゼイド】:

医者とゲームとyoutuberとか鎧武の戦国と錠前とフルーツが霞んで見える縛りだ……。
いや鎧武ですでに大概だったんだけど。
ゲームメタファーに関してはちょうど同時にやってるジュウオウジャーがサブモチーフとしてものすごく上手いこと折りこんでるのでこっちにも頑張って欲しいんだけど、逆にメインモチーフだからこそ苦戦してる感はある。
とりあえず五年の歳月を掛けたゲームがflash系サイトの一コンテンツミニゲームにしか見えないのが最高のギャグ。
主人公の原点がワンダースワンだったのはバンダイにはそれがあったかとキュンときたけどワンダースワンから始まったゲーム人生ってめっちゃ歪んでそう。



機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ二期】:

前期からほんのり時間を進めて各陣営の今の状況を書きつつ次の物語の幕を開ける第二部開始のド定番出だし。
とりあえず前期と同レベルのものが期待できそうなので満足。
でもこれはやはり1話というより26話なので他と同列で語るべきじゃないな。

 


【マジきゅん! ルネッサンス

サンライズxブロッコリーxポニーキャニオン合同IPとかいう恐ろしい乙女物。
直近でゲームが出てる。
主人公が素朴でボケツッコミ両対応で可愛らしいのが好み。
こういうの女性向けではカマトトぶってる感あって微妙なのかなとも思ってたけどいいんだ。
やはり近くて遠い世界についてもちょこちょこ観測すると面白いしためになる。

 


TRICKSTER -江戸川乱歩「少年探偵団」より-】:

どうにもそれなりに面白くなる目がありそうなのにあんまり面白くない系パターンのアレだコレ(ドレ)。
シリーズ構成の吉田恵里香氏は2015年版ルパン三世で印象的だった回の多くを担当していた人なので応援してる。

 


【神装少女まとい】

開幕英語圏特殊部隊が出てきて全力で「思ってたのと違う!?」ってなる。なった。
通しで観るととりあえず悪くない感じ。
主人公も友達も言動可愛くはあるがシリアスとの温度差が激しすぎて上手く制御し損ねている感があるので上手いバランスに着地してほしい。
とりあえずED見るかぎり父親がヒロインという事でよろしいか。よろしいか。やったーーー!!

 


SHOW BY ROCK!!♯】:

開幕けいおん!の次は開幕宇宙艦隊
そして遂に忍迅雷音《にんじんらいおっと》の音楽の無くなった未来からやってきたサイバー忍者バンドという設定が生かされる日が来た。
一期の総括とメインキャラの紹介詰め込みまくってて継続組が内容思い出せるように作ってある優しみ。
新規が付いて来られるかは知らないけど一期からそんな感じだった。
とにかくミューモン形態の芝居の細かさが300%増しでムチャクチャ良い。
もうこれだけで1クール付いていけます。
二頭身3Dの動きに興味ある人全員観てけれ。

 


【終末のイゼッタ】:

正直な所言うと前情報でこれ絶対上手くいかないやつだと思ったし一話見てもその印象は変わらないのだけれど、トライブクルクルの監督だった藤森雅也氏を個人的にもの凄く信じたいのでどうにかしてくれると信じてる。
でもやっぱガチ二次大戦下のヨーロッパで亡国の姫が一騎当千の魔女と共にドイツと戦う話って文字側にとても繊細で丁寧な仕事を要求されるのでダイナミズムの方が強い吉野弘幸氏は相性悪いんじゃないかという気がしてならない。

 



【ドリフェス】:

アイカツ全話見てる勢としてこれはすごい。やばい。
だって「ドリフェス、はじまります」スタートだよ?
アベンジャーズの横でデッドプール作っちゃうマーベル並みの隙の無さ。
何時からバンダイカン殿はこんな隙のない企業になったんだ……。
アイカツ書いてこれも書く加藤陽一氏はほんとバケモン。
まあそもそも妖怪ウォッチデュエルマスターズタイムボカンデジモンとドリフェスのシリーズ構成同時にやってるんだからバケモンじゃないはずがなかった。五本てどういう事、五本て。
ドリフェス!カード通称ドリカの設定がほんとに凄い。
そうなんだよ、これは『保護者系』にリーチする作品なんだよ。
だから変身カードもセルフプロデュースを掲げたアイカツ!の『なりたい自分になる』とは異なり、『ファンの望む自分になる』なんだよ。
観客が想いを込めてカードを選んでその想いをアイドルが受け止めて変身とか構造が正しすぎてちびる。
ほんと今の女性向け男子物は質も量もすごいことになってる。
これ程のもの出しといてまだsideMなんて切り札残してるんだよバンナム

 


【クラシカロイド】:

ファイブレイン以来のNHKオリジナルアニメ。
『女子高生の家に居候中のベートーヴェンは至高のギョウザを焼くことに熱中していたが遂に完成したギョウザを食べる寸前に取り壊しの衝撃で台無しになり怒りの変身演奏で女子高生も作業員も重機も合体して人型になって踊りだし大体丸く収まりました』
榊一郎氏と土屋理敬氏のダブルシリーズ構成の意図は分からないけど、想像よりかなり斜め上にトンでて面白い。
絵の感じが知ってるような知らないようなで何処が作ってんだろと思ったらサンライズで意外だった。
あと土屋理敬氏もプリパラここたまウィクロスこれで4本同時シリーズ構成だよね。今期バケモノ多くない?
あとモーツァルトの書き方が結構FateGOと似てるのが興味深い。

 


【Lostorage incited WIXOSS】:

前作はメリットしか説明されなかったけど今作は逆にデメリットしか説明されないとかこれはこれで酷い。
カードゲーム買ったらいきなりバトルロワイヤルに巻き込まれて負けたら消滅、勝ち続けたら出られるだけで良いことなしのルールとか嫌すぎる……。
前作が方針をはっきり示してくれてるおかげでかなり作り易そうな感じなんでそれなりの出来になりそう。
土屋理敬氏は岡田真里氏とはまた異なる方向で優秀な脚本家だし。

 


【ガーリッシュナンバー】:

まさかのダークホース。
類似する作品はいくつかあるけど直接これってのがなぜかまだなかった女性声優社会もの(女性声優ものとは微妙に意味が違う)
正直なんでこの題材を生え抜きのアニメ脚本家じゃなくていま最も売れてるラノベ作家の一人が書いてるのかが謎。
しかし本職の立場を生かして脚本家側では書けないネタに焦点持ってる辺り非常に狡猾。
昨今のスピード感からはかなりズレた遅さを持ちながらも一つ一つの間が見られる物になっててきちんと機能してる演出も偉い。
なによりこの柔らかく美少女然としたQP:flapper氏のキャラデザにゴリゴリとデフォルメされたリアリティをぶち込んでなおかつ今時の時流の作品に見える形をキープしている脚本が上手過ぎる。
あやかしびと以来で渡航氏を見たが、これほどの逸材になってたとは。
やっぱり田中ロミオ氏の言う通り今のうちにどうにかしておくべきでしたね!
てかフルタイム会社勤めで小説とアニメのメディアミックス作品一人で全部こなすとか意味分かんないんですけど。
やっぱ人一倍仕事してる人間が人一倍とは限らないけど上手くなるんだよなあ……。

 


【ユーリ! YUURI ON ICE】:

どっちに転ぶか分からない期待作だったけどひとまずはすごく良い。
開始五秒でこれはイケルと思わせてくれるの良いよね……。
漫画原作のようなオリジナルアニメだけどマンガ家が連名原作かつ脚本原案としてネームを切ってるという漫画原作より遥かに漫画原作付いてる感あるアニメ。
すごくイマドキの実写ドラマ的なんだけど、実写ではロシア人と日本人をまぜこぜに出来ないしフィギュアスケートもやらせられないのでこれはとてもアニメらしい作品。
一番の懸念はフィギュアスケート部分の凄まじい作画枚数を持たせられるかなんだけど、驚くべきことにこの枚数を僅か二名の選任作画担当で回してるようなのでぶっ倒れない事を信じるっきゃない。
作品通しての心臓を原画二人に担わせるとかおっそろしーことするもんである。

 


【フリップフラッパーズ】:

謎アニメ。
一応広義の変身ヒロインとか戦闘魔法少女物なんだけどなんだろうこれ。
なんていうか、90年代後期のカオス感を今のリッチな絵柄でやってるような感じというか。
演出も過剰に間を取ったりやたら間を取らなかったりかなり不思議なテンポでふわふわする。
でも個人的に今期アニメで今すぐ一本残して切れと言われたらこれを残すくらいに気になって目が離せない。
そんなアニメ。
こんな風変わりな作品にプロデューサーとエグゼクティブプロデューサーがそれぞれ10人も居てこれはイケルと思った企業が10社あるのかと思ったら日本のアニメはまだ明るいなと感じた。
ていうかさすがに10人は見たことないんだけどほんとどういうプロジェクトなんだろうこれ……。

 

 

 

まとめ:

今期のアニメは全体的に質が高くて良いクールになりそうだなと思いました。

 

おわり